訪問者:氏名不詳
ガイダンス
- 最初に学生証番号を登録してください。以下の質問に、回答できるようになります。
問題 1-1
最近の経済のニュースで、いまあなたの記憶にいちばん残っているのなんですか?。
そのニュースのどんなところに興味を覚えましたか?。
1-1 の回答を +
0/130 ...1点以上 0%
経済学における「理論」
経済学と経済理論
- 経済学の特徴は、○○経済(労働経済、農業経済、国際経済 etc.、日本経済、アメリカ経済、... 、経済史、.. )だけではなく、
- 一般な経済「理論」が存在する点にある。
- 他の社会科学に比較すると、一般理論の優位が伝統的に維持されてきた.... 最近は崩れつつあるようだが...
- 一般理論は「経済原論」ともよばれてきた。この講義は経済原論をベースとした経済学の講義。
そもそも「原論」とは?
- ユークリッドの幾何学原理、ニュートンのプリンピキアのような演繹体系 if A then B スタイルの演繹
- 人間の社会が、演繹的な理論の対象になるという驚き
- 個人の行動は意図的なもの、法則に支配されているわけではない。強制されることはあるが、基本的には自由に行動できるはず。
- なのに、なぜ、人間の社会に演繹的法則が作用している(ようにみえる)のか?
- 無数の人間が影響を与えあう場=市場の存在。だれも「意図」しなかった「結果」が生じる。
- この「意図せざる結果」の存在が、本来自由なはずの人間が構成する社会に対して、演繹型理論の適用を可能にする。
- だから経済理論は、「市場」が社会編成の中心になる時代になって、はじめて成立した。
- この条件が満たされた社会を「資本主義」とよぶ。
- 衣食住に関わる経済活動は、昔からあったが、
- それはそのまま、経済理論の対象になるわけではない。
- この講義の対象は「経済活動」全般ではなく、「資本主義の経済」である。
- 講義用テキストの2頁に「『資本主義とは何か』という問いは、本当に成りたつのだろうか。」という問題がでている。「とはなにか」というのはイカ本の書名によく使われる。余裕があればチョット考えて巻末の「解説」を読んでみよう。この「解説」の欠陥を自分の言葉でいえるようになれば成績はSです。
経済「理論」にはどんなタイプものがあるのか。
- 古典派経済学
- ミクロ経済学(新古典派)
- マクロ経済学(ケインズ経済学)
などあるが
- この講義は「マルクス経済学」(「政治経済学」「社会経済学」とも)の理論。
- 「マルクス経済学」は古典派経済学の伝統に強く依拠する理論だが、
- 「歴史的な条件」や「全体構造の変化」を重視。
- その点で、ミクロ理論・マクロ理論のような今日のメインストリームのeconomicsとは異なる
- political economy である。(ただしpolitical の意味は複雑。「政治」「政策」という意味ではない。)
この講義を聴けば.....
- さまざまな経済現象を考える大きな枠組みがわかる
- 長期の歴史的な発展のなかで、今日の経済を眺め、将来を展望できる
- 論理的思考に強くなる
問題 1-2
講師がいちばん話したがっているのは、うえの3つのうち何番目だと思いますか?そして、あなたがいちばん話してほしいのは、何番目ですか?
1-2 の回答を +
0/134 ...1点以上 0%
問題 1-3
生産・分配・消費という「経済」自体は人間社会とともに古くから存在してきたのに、「経済学」という学問のはじまりが比較的新しいのはなぜでしょうか?
1-3 の回答を +
0/131 ...1点以上 0%
▶解説
▼解説
- 「論理的思考に強くなる」とはどういうことか、
- いま考えた上の「質問3」を例に説明してみます。
- 第1段階
- X は古い
- X'は新しい
- X + α → X' と考えて ....
- さて α = ? と問題を整理して
- たとえば α = 市場 と推論する。
- つまり「経済学は、経済 (X) 全般ではなく、市場 (α) による「経済」を対象にする学問である」という結論。
- 第2段階
- では なぜ「市場経済」を対象とすることで、はじめて「経済学」が成立したのか。
- 一つの推論として、
- 「市場」では、個人の自由な意志が、だれの意志でもない結果をうむ。典型は価格現象(売り手はできるだけ高く売ろうとし、買い手はできるだけ安く買おうとする。
- しかし、競争の結果、売り手も買い手も意図しない水準に価格は決まる)。「意図せざる結果」が広く観察される。
- 人間の直接的な意図に左右されない、客観的現象が観察されるようになるため、自然科学に類似した客観的な「法則」が支配する(かのようにみえる)。
- 人間の自由意志によって社会を説明する古くからある学問(政治学、哲学など)から、新しい「経済学」が独立し発展するようになった。
- 第二段階までゆくとむずかしくなりますが、①複数の要因を分解して、②論理的に組み立てなおす、というのが論理的思考の基本です。