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問題 11-20

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 情報通信技術と労働(2) 

通信技術

情報の定義

  • この講義での定義、言葉の使い方の約束ごとです。この意味に混乱の内容に使ってゆきましょう。
  • 情報とは、「なにかを」「なにかで」「だれかに」「伝える」ときの、「なにかを」の「なにか」。つまり「伝える」対象である。
  • 情報にはそれを「表わす」なにかと、「表わされる」なにか、とがある。「表わす」ために使われるものを「データ」とよび、それで「表わされる」内容を「メッセージ」とよぶ。
  • 「こんにちは」という情報は、データとしては五つの音韻データだったり文字データだったりする。メッセージとしては日本語の挨拶ということになる。
  • 通信技術は、データの送受信=通信 communication に関する技術
    • 技術:= だれがやっても同じ結果になる客観的な手段の利用。技術は属人的な技能と対をなす。
    • メッセージが、思った通りに伝わるかどうか、ではない。「こんにちは」というデータが伝わっても、それを気持ちのこもった挨拶だと思わない人はいる。メッセージのレイアでの伝達ができるかは「コミュニケーション」(意思疎通)の能力の問題。今のところ、コミュニケーションは技術ではなく、技能の対象?

通信技術の発展

問題 11-1

歴史的にみてもっとも古い通信技術はなにか。

その技術はなにをデータとしているか。

このデータを使うことで生まれた最大に効果は何か。

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解答と解説 11-1

解答

  • 手紙
  • 文字データ
  • 離れた場所に伝える

解説

  • 通信とは何か、その基本を理解することが出発点です。通信技術はコンピュータやインターネットではじめて登場したものではありません。通信技術の本質を知るために、すこしだけ歴史を振りかえってみます。
  • 「のろし」beacon とかもあるかもしれませんが。
  • 対面で対話するのが、道具をつかわない、したがって「技術」なしの「技能」だけの通信だとすると、文字を使って通信するというのが、最初の通信技術で、これは郵便制度が完成態。postal mailです。
  • 通信技術は基本的に遠隔地が必須要素。時間的なズレは、短縮すべき技術的な課題。技術目標は遠隔同時通信だった。どうやって早く届けるか、でたとえば伝書鳩などという「技術」も開発されたわけです。
問題 11-2
原始的な文通のかかえる問題を郵便は解決した。どんな問題を解決したのか?
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解答と解説 11-2

解答

  • 「だれに」送るかを特定する問題。受けとる相手を住所・氏名 つまりaddressで特定可能とする「制度」が郵便制度の基本。
  • 送った「だれか」以外にもデータが伝わってしまう問題。技術的には宛名のみ書いた封筒 envelope にデータを入れ封印する sealing といった工夫。

解説

  • 通信がはじまったときから、address の特定とデータの隠蔽が難題だった。
  • これらはインターネットのもとでどう解決されているのか、考えてみよう。
問題 11-3

活字印刷はいままでにない特徴を通信技術にもたらした。それはひと言でいえば何か。

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解答と解説 11-3

解答

  • 不特定多数への通信
  • マスコミ(ュニケーション)

解説

  • 情報を送る過程で、媒体となるモノをメディア、メディア上で送られる内容をコンテンツとよぶことにします。
  • コンテンツはデータと重なりますが、とくにメディアに対してお売られる内容の性質を指してコンテンツとよぶことにします。
  • 新聞 newspaper だったら、新聞紙 paper がメディアです。コンテンツは印刷された記事です。データとしては文字データだったり図版データだったりします。
  • 印刷は複製技術で、同じメディアを大量生産し、同じコンテンツを、不特定多数に伝える手段を生みだしたのです。
問題 11-4

電信(電気通信技術)がもたらした最大の特徴は何か。

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解答と解説 11-4

解答

  • 同時性

解説

  • 基本は同時性で、双方向性は同時性が前提になると思います。手紙も返信可能なので双方向といえば双方向ですが、これはふつう双方向とはいわないでしょう。
  • テレビやラジオは、同時ですが双方向ではありません。
  • 電話は同時双方向です。
問題 11-5

ラジオにないテレビ独自の特徴はなにか、ひと言で、なるべく一般的に規定せよ。

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解答と解説 11-5

解答

  • 音声+画像
  • データの複合

解説

  • ふつうはマルチメディアというのでしょうが、ここでの用語法の約束ではマルチコンテンツになるかもしれません。
  • マルチといっても、まだ音声+画像という二つしかないマルチですが。
  • 電波という一つの媒体に、音声と画像という二つのコンテンツを同時に送る技術です。

データ形式

  • コンピュータにいたる計算技術が、通信技術と融合して一つの情報通信技術になる要因を考えてみる。
  • それには、データ処理の技術について、もう少し、補足しておく必要がある。
問題 11-6

図書館の蔵書データは、かつてはカードにまとめられて、例えば著者名別にボックスにしまわれていた。

カードはたとえばabc順のように整序 sort されていなくてはならない。そのためには、バラバラのものから特定のものを見つける工夫をしなくてはならない。

たとえば「帯出可」と「帯出不可」の図書があるとする。バラバラのカードから、「帯出不可」の図書のカードを一度にピックアップしたい。

なにか、いいアイデア、ありませんか。

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解答と解説 11-6

解答

    <
  • 帯出不可のカードの一つ角を同じ大きさに切っておく。
  • すべてのカードの同じ位置に穴を開けておき、帯出不可のときは、この穴のうえを切り取っておく。

解説

  • 角を押すとか、穴に棒を刺して引き上げるとか、すれば、物理的に二分できそうです。
  • 二番目のやり方は、むかしどこかで目にした記憶があるのですが、もしかしたら夢でみたのかもしれません。いずれにせよ、原理的には可能でしょう。
  • ポイントは、データ処理を視認でおこなうのではなく、単純な装置で機械的におこなうことが、コンピュータが登場する前から、追求されてきたということです。

  • カードの上部にa,b,...z まで穴をあけておき、aとかbとか著者名に該当する穴だけ上部までハサミで切り取っておく。
  • aの穴に棒をさして引き上げると、a以外のカードは持ちあがるので、余集合としてaのカードが残る。
  • カードのサーチ、ソートといった一見人間にしかできない「知的な」仕事も、外部装置に移せる可能性をもつ点は、労働の変容を考えるうえで重要な意味をもってきます。
  • 情報を構成するデータには、図書目録のような定型的な文字データが多くあります。
  • 文字データを処理する機械は、同じ字体を印字できるタイプライターの発達とともに、パンチカードをつかったデータ処理装置が生まれてきました。Bussiness Machineです。
問題 11-7

コンピュータが情報処理機となるためには、もともと計算機として処理してきた数値データだけではなく、文字データも扱えるようになる必要がある。では、どのような工夫によってそれは可能になったのか。

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解答と解説 11-7

解答

  • 文字コード表を使って、文字に一定の数値を割り当てる。

解説

  • 文字が数値と一対一対応するようになっていることは既知でしょうが、これで計算機が文字情報を処理できるようになったことは重要。コンピュータの使い方は数値計算から、文字データの処理に大きくシフト。電子的な情報処理装置になる。
  • javascript で文字コードを探してみる。
    (new TextEncoder).encode('あ')
    (new TextDecoder).decode(Uint8Array.of(0xe3, 0x81, 0x82))
    "あ".charCodeAt(0)
  • 基本は、この数値の大小関係で、abc順といった文字の順序を処理できる。
  • 理解すべきは、コンピュータにおける文字データの処理が、人間が文字を読むのとは根本的に違うやり方になっているという点。
  • 人間の労働のなかでも文字による伝達は重要な役割を果たす。この文字を扱う部分に、人間とは異なる処理方法をするコンピュータが入ってくることで、労働の変容が生じる。オフィス・ワーク。

After

  • 「文字を数値に変換する」という回答が多くありました。
  • 「変換」とはどうすることか、をきいているので、厳密な意味で答えになっていないのでゼロ点にしてあります。
  • 「変換」とは「割り当てる」こと「対応させる」こと、という答えは1点にしてあります。
  • この割り当ては、文字コード表のような「ルール」によるものだということまで指摘してるものに2点。
問題 11-8

「音声や画像もデジタルデータとしてコンピュータの記憶装置に収めることができるようになった。これらのデータは文字データから独立した存在である。」

この主張は正しいか。理由を述べよ。

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解答と解説 11-8

解答

  • 「独立した存在」ではない。
  • 音声データや画像データは、文字データと結びつけることでコンピュータ上では処理可能となるから。

解説

  • 音声や画像のデータも、文字データのファイル名を与えることで、コンピュータで処理可能となる。データを処理するプログラムも、文字データで書かなければならない。いまのところ...
  • 今のコンピュータの方式のよるかぎり、簡単に文字データの優位性が揺らぐことはない。
  • 別解もありそうですが...ちゃんと推論して理由を明らかにしてください

  • ただ、音声データも画像データもすべて、文字コードと同じ、デジタルの数値データに対応させることで処理される点、この「同じ」データ形式に還元されることが、データ処理技術とデータ通信技術が結合するうえで決定的。
  • 情報通信技術=データ処理技術+データ通信技術。ただ、「+」といっても、二つが別々に存在するという意味ではない。いずれにも還元できない、新たな技術が誕生した。結合の最大の産物はインターネット。
  • インターネットについても、その本質は何か、もっと分析する必要があるが、時間がないので詳細は各自にまかせる。が、内部構造はともかく、今こうして使っているという現実をもとに、そのどこが「新たな」といえる要素なのか、考えてみよう。

After

  • 「文字や音声や画像も全て二進数で表せられるデータだから。」という意味で、文字もデータ、音声データ、画像データ上の記憶・処理は基本的に同じになる、というのはその通り。「デジタル化」というのは、この同一のデータ形式にそろえる話です。という意味で2点。
  • しかし、データ形式が同じだということは、それぞれのデータの役割が同じだということではありません。コンピュータ上で人間がデータを処理するとき、やはり文字データが重要な役割を果たしている、という意味で、音声データや画像データがそれぞれ「独立している」とはいえない、というのが、この「解答」で書いたことです。問題としては屈折があり、むずかしかったと思います。

✅ 12月8日の講義はここから


情報通信技術

問題 11-9

通信技術としてみたインターネットは、新聞・雑誌、ラジオ・テレビなどのマスコミュニケーションと決定的に違う点がある。なにか?

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解答と解説 11-9

解答

  • インターネットは一方で、マスコミュニケーションが中心から周辺に向かう一対多の関係であるのに対して、だれもが不特定多数に送信できる、特定の中心をもたない多対多の関係を可能にする。
  • インターネットは他方で、有線電話のような一対一の同時双方向の通信も可能にする。
  • そして実際には、この中間に位置するさまざまな範囲とレベルで閉じられた通信を可能にする。

解説

  • つまりテレビでも電話でも実現できなかった、さまざまなレベルの通信空間を生み出せるということです。
問題 11-10

電話もインターネットと同じように、同時双方向の通信を可能にするが、両者の間の決定的な違いがある。それは何か。

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解答と解説 11-10

解答

  • 同じメディアのなかで異なるコンテンツを扱えるか。
  • 基本的に一対一接続、多対多接続か。

解説

  • 電話は同時に送れる音声のみ。画像も送れるが同時にではない。昔は文字データが送れるtelexというものあった。しかし、同時に複数のコンテンツをあつかうことはできない。
  • 電話(有線)は、端末が一つの回線で結ばれる。そのつながりかたは糸電話と同じ。交換所で、たくさんの回線のつなぎ替えをしている。昔は交換手が相手の番号を聞いて、手動でつなぎ替えをしてたが、これはダイヤル交換で自動化された。つないだ後の回線が一対一であるという基本は同じ。
  • インターネットの本質は、①すべてのデータをデジタルデータに還元することで、同じ単一の原理で送受信可能としマルチコンテンツ(「マルチメディア」というのふつうだが。)、②端末に固有の番号(アドレス)を与えることで、多対多の接続を可能にする本来の意味でのマスコミュニケーション(「マスコミ」というのは一対多の意味で使われる。インターネットになっても、中心をもとめるマスコミ的習性からなかなか脱却できない、どころか、悪い方向に助長されているが)、の2点にここでは絞ってみた。
  • この分析をもとに、最後に労働への作用を考えてみよう。
問題 11-11

インターネットは、協業型の労働結合と分業型の労働結合のいずれに、より強く作用するか。

いずれかに決めた理由を述べよ。

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解答と解説 11-11

解答

  • 協業
  • インターネットは通信技術の発展であり、通信技術は労働の意識のレベルでの結合=協業に直接影響するから。

解説

  • インターネットは、コンピュータを通じた多元的な意志決定を可能にし、差分化された下位の目的を最終目的に整合させることで、従来の対面型の意思疎通に頼ってきた協業のあり方を根本的に買える可能性があります。
  • プラットフォームを提供する大規模な企業の内部では、さまざまな開発分野に分かれているようで、こうした多方面からの開発を最終的な目的に統合できるのは、複雑な内部の情報空間を管理する方法があるから。

  • もちろん、こんなに単純に決めつけるわけにはゆきません。別解はいくらでアリです。
  • 例えば、インターネットの発達は、さまざまな労働対象・労働手段についての情報を得やすくさせるので、分業型の労働結合を飛躍的に深化させた、とか。グローバルなサプライチェーンの形成とか。
  • 大事なのは、労働と情報通信技術に対する分析を基礎に、それなりに筋の通った「理由」づけをおこなえるかどうかです。
  • これまでの技術では、協業の効果は工場内、オフィス内に閉じ込められ、それらの間は予想に基づく生産(在庫)を媒介に市場で結びつけられてきた。その結果、モノを媒介にした労働結合、すなわち分業の効果が優勢であった。新たな情報通信技術は、この基本関係を変化させる可能性がある、という結論を与えておく。もちろん、別解はいろいろあるという了解のもとで...

  • さて、ということで「情報通信技術と労働」に関しては、まだまだ考えるべき問題がたくさんあります(たとえば欲求の目的物化に介与する商業労働への影響とか)が、あとはみなさんが、自分でまず問題をたて、それを解いてみてください。正解を理解する能力より、正解に疑問をもち、新しい問題をつくる能力のほうが重要です。
問題 11-21

ここまでの内容で、質問があればどうぞ。

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Last-modified: 2022-12-08 (木) 14:57:00