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問題 15-100 未公開
まとめ:商品・貨幣・資本
概要
- 資本を基軸とする市場像を理解する。
- 商品・貨幣・資本の関係について考える。
資本と市場
- 教科書の図1.2.1(p.47)と図1.3.3(p.96)を見比べてみよう。
- 今回は、現場で板書し、解説します。
到達度判定問題
問題 15-1
一点モノの美術品でも、価格がつくのだから、当然価値がある、といってよい。
この講義の用語の定義、前提にしたがって、妥当か否か、理由を述べよ。
15-1 の回答を +
38/86 ...1点以上 44%
解答と解説 15-1解答 - 誤り
- 「価値がある」の「ある」(価値存在)は、同種大量の商品が多くの売り手に分散的に所有されている状況で定義可能。
- 内在的な価値が、貨幣量で表現されたの価格であった。つまり、価値存在→価格表現。
- これを逆にして、価格があれば価値がある、と推論するのは、この講義ではルール違反。
問題 15-2
売買とは、商品と貨幣を交換することである。
この講義の用語の定義にしたがうと、この売買の解釈は適切か。理由を述べよ。
15-2 の回答を +
26/80 ...1点以上 33%
解答と解説 15-2解答
- 不適切
- 「商品を貨幣と交換する」は「貨幣を商品と交換する」と文と同義。
- つまり「交換」なる用語は、$A~B \to B~A$ という交換律を満たす。
- しかるに、商品と貨幣の関係は、交換律を満たさない。
- 貨幣で商品を買えても、貨幣で商品は買えないが故なり。
- よってももって、「売買とは、商品と貨幣を交換することである」なる解釈は不可。
問題 15-3
商品貨幣とは、本来、金のように特定の商品の素材を用いたタイプの貨幣のことである。
この講義の用語法、前提にもとづけば、この解釈は妥当か否か、理由を述べよ。
15-3 の回答を +
42/86 ...1点以上 49%
解答と解説 15-3解答
- この講義では、商品価値を表現する能力をもつ貨幣を「商品貨幣」と定義。
- 価値表現は、商品価値をもとにした等価物によって実現されるが、この等価物の構成方法には、商品素材を直接用いる問題文の金属貨幣(物品貨幣)型とともに、もうひとつ、商品素材に対する請求権(債権)を用いる信用貨幣型ある。
- 商品貨幣=物品貨幣と同一視するのは誤り。
問題 15-4
$P=(p_1,p_2,\cdots,p_n)$ だけからスカラー値の平均価格 $\overline{p}$ を導くことはできない。」と習った。
しかし、価格は円のような単一の共通単位で表されているのだから、加算できるはず。
平均価格は$\overline{p} = (p_1+p_2+\cdots+p_n)/n$ で簡単に求まるのではないか。
この疑問に答えよ。
15-4 の回答を +
27/75 ...1点以上 36%
解答と解説 15-4解答
- 価格ベクトルを構成する要素の単位は、円のような同じ共通のではない。
- $円/kg$, $円/ボールペン1本$のような単位をもつ「単価」である。
- 故に、$p_1+p_2+\cdots+p_n$ という加算はできない。
解説
- $PX$という内積では、$p_1x_1+p_2x_2+\cdots+p_nx_n$の各項は、$円/kg\times kg$ などとなり、みな同じ共通の円という単位をもつから、もちろんスカラーに合算できる。
- 単価と金額の関係については、講義で説明したので、これを思い出せれば、簡単に答えられるはずの問題でした。
After
- 残念ながら、価格ベクトルの要素が単価であることを見抜いた回答はでなかったようです。
- 単価マーク @ については講義でも話したのですが...
- 単価ですから、単位、ディメンジョンは、円/kg, 円/リットル 等々。
- だから直接足せないのです。
- この問題では単純平均が意味をもたないこといえばよいのですが、もうちょっと突っ込めば、たとえば「ベクトルの大きさは原点からの距離 $\sqrt{{p_1}^2+{p_2}^2+\cdots+{p_n}^n}$ できまるじゃないか。価格はベクトルだからそれだけでは大きさが測れない、なんてウソだ」といった疑問にもチャンと答えられるようにしましょう。