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問題 2-100

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$x^4+3x^2+4$ を因数分解。途中の式も書いてください。

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解答と解説 2-100

何で因数分解?chatDTPがどの程度、論理的な問題に対応できるのか、チェックするためです。

「x^4+3x^2+4を因数分解してください」と、chatGTPに投げてみてください。

もしできないようなら、どうやったら、できるようにさせられるか、考えてみてください。

 モノと商品 

概要

  • 夏学期の基本テーマは「市場の構造」です。
  • 「市場」とは?
    • 最大の特徴を、ひと言でいえば「貨幣」の存在です。
    • 貨幣がない「市場」というのは考えられない(貨幣のない市場を考える経済理論もありますが...)。
  • ではその「貨幣」とは?
    • これが大問題、正確に紛れなく「貨幣なるもの」を定義することはむずかしい。
    • 貨幣は、だれでも知っていて、毎日使っているのに、いざ「それって何?」と聞かれると、うまく説明できないものの代表です。
  • 今回は基礎の基礎を考えます。わかりきったことのようですが、厳密に考えようとするとむずかしい、たとえば整数論とか、抽象代数のような性質の問題になるので、アタリマエじゃない、が通用しない世界です。気を引き締めてついてきてください。
問題 2-101

貨幣とは何か、簡潔に、かつ正確に紛れのないように定義せよ。

注意:「紛れがない」というのは「〜のようなもの」とか、「ある意味では貨幣の一種」とか、といった中間的な要素が生じないという意味です。

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解答と解説 2-101

解答

何かを「買う」もの

解説

ちょっとchatGTPを試してみよう。

「この回答の問題点を指摘せよ。」という問題を、ぜひ、みなさんに対して出題したいと思います。

After

  • 「貨幣という用語を、一つの文で簡明に定義してください。」という問いに対して、
  • 「貨幣とは、普遍的に受け入れられ、一定の価値を持ち、商品やサービスの交換手段として使用される物質または記号のことを指します。」というのが、chatGTPが返してきた回答です。
  • "Please define the term of 'money' concisely in one sentence."に対しては
  • "Money is a universally accepted medium of exchange with a certain value used to facilitate the exchange of goods and services."と答えてきました。
  • 日本語で「商品」といっているのはgoodsのことのようです。
問題 2-110
「貨幣とは、普遍的に受け入れられ、一定の価値を持ち、財やサービスの交換手段として使用される物質または記号のことを指します。」という貨幣の定義の問題点を列記せよ。
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解答と解説 2-110

解答

  • 「価値」という未定義のキーワードが使われている点
  • 「交換手段」というのは、「財やサービス」どうしが「交換」されるための「手段」という意味なのか、あるいは「財やサービス」と「貨幣」が「交換」されるのか、不明。
  • 「物質または記号」というが、物質なのか、記号なのか、どちらでもよいのか、明確ではない。

解説

  • 上記の解答は「何かを買うもの」という定義。実は「何か」=商品という未定義語を想定にしているので、chatGTPの解答だけに問題があるのではありませんが。
  • 要するに、「貨幣」を定義するには、chatGTPの回答なら、「価値」とか「交換(手段)」、本問の「解答」なら「商品」といった、より基礎的な用語から定義しなおす必要がある、ということになります。
  • 前回 4月20日の講義では、次のような手順で、概念を組み立ててみました。
  • あまり普通は考えないことなので、むずかしかったかもしれません。
  • 「自然数の定義を与えよ」がむずかしいのと似ています。1や2や3などのこと、ではダメでしょう。
  • 前回の講義でやった手順を振りかえってみると...
    1. 貨幣の定義 $\to$ 何かを「買う」もの(「交換」ではない「売買と交換は違うのだ」と10回声にだして唱え自己暗示をかけよう。。この講義は、貨幣 $\neq$ 「交換手段」という立場。)
    2. 「何か」 $\to$ 「商品」
    3. 「商品」 $\to$ 「モノ」(モノ $\neq$ 物(有体物)$\neq$ 「物質」$\neq$ 「記号」
    4. 「情報」を含みうるようにモノを定義した。どんな定義でしたでしょうか?
    5. モノ $\to$ モノの属性と、モノと人の関係(有用性と所有)
    6. ここから、逆方向に定義をすすめ...
    7. モノ $\to$ 商品の定義。けっきょく、どのような定義になったでしょうか?
問題 2-102

貨幣によって「買われる」ものは、何とよばれるか。

注意:この質問は、用語の定義ですので、何とよぶかはある意味自由です。Xでも、hogeでも、いいのですが、日本語の語彙の体系の中にこれにピッタリのものがありそうです。それを考えてみてください。

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解答と解説 2-102

解答

商品

解説

すなわち売り物のことです。タダの物ではありません。

したがって、「貨幣とは商品を買うもの」ということになります。

貨幣の定義には、「買う」という概念が含まれ、「買う」という概念は売られるものの存在、つまり商品を前提とするので、まず、「商品」の定義のほうをハッキリさせる必要があります。

しかし、「商品なるもの」を紛れなく定義するのはけっこ厄介です。

問題 2-103
  • あなたがいまもっているボールペンは商品ですか。答えはNO。
  • では、それがかつて商品であったことはありますか。答えはYES。
  • 見た目はまったく違いがない、混ぜたら区別がつかなくなる、同じボールペンが、商品であったりなかったりするのはなぜか、理由をできるだけ簡潔に説明せよ。
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解答と解説 2-103

解答

同じボールペンでも、持ち主がそれを自分で使って役に立つか、役に立たないか、で違う。

解説

  • ボールペンの見た目の違い、物理的化学的な違い、をいくら考えてもダメです。
  • ということは、持ち主を考えて、その目線から違いをいうほかないでしょう。
問題 2-104

「持ち主にとって「役に立たない」というが、そのボールペンだって、たとえば修正テープを手に入れる手段として「役に立つ」。自分が持っているもので、役に立たないものなどない。」

この主張は正しいか。判断の理由を述べよ。

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解答と解説 2-104

解答

  • 正しくない。「役に立たつ」という言葉が、矛盾した二重の意味で用いられているから。
    1. 第一の意味:ボールペンという機能が自分の役に立つ。
    2. 第二の意味:ボールペンとしての機能は役に立たないが、第一の意味で役に立つ修正テープを手に入れる手段として機能する。
  • 「役に立たない」から「役に立つ」モノと交換する。「役に立たない」モノでも、交換の手段として「役に立つ」じゃないか。このレトリックをどう正すか、が問題です。

解説

  • 前問で「自分で使って」とつけ加えたのは、自分で使わずに何かほかの「役に立つもの」に変えられるということを排除するためです。
  • ボールペンが「役に立つ」ということは、ボールペンがたとえば修正テープを手に入れる手段として「役に立つ」という言い方を含みません。この場合には、ボールペンは自分で使わずにだれか他の人が使うわけです。自分で使うのは「修正テープ」のほうです。

定義

  • 商品という用語はまだ未定義ですが、「商品なるもの」X であろうと、Xでなかろうと、変わらない、一定の機能を具えたボールペンそのもの、一定の機能をもった対象が存在することがわかりました。
  • これを「モノ」ととりあえずよぶことにします。
  • さらに、このモノの定義を厳密にしてゆきましょう。
  • いま商品であったりなかったりするボールペンを具体例としてイメージしながら、モノたるための一般的な要件をいろいろな考えてゆくわけです。
問題 2-105
  • 「モノとは、空間的上においてかたちのあるもの、目にみえ手で触れる対象である。」と定義する。
  • あなたが作詞作曲した曲は、モノといえるか、いえないことになる。
  • 私が書いたエッセイは?モノとは、いえないだろう。
  • こうした著作物も、モノに含めるには、どのように定義したらよいか。
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解答と解説 2-105

解答

  • かたちがあろうとなかろうと、人間に知覚でき、他のモノと互いに重なりなく、区別できる対象をモノとよぶ。

解説

  • 「この法律において「物」とは、有体物をいう。」(民法85条)というのが法律上の「物」です。
  • しかし、商品になったりならなかったりするモノ(市場での売買の対象)の定義としては狭すぎる。特のいまの市場まで含めて理論をつくろうとすると....
  • 法律では、「物」の定義は、「物」に対する権利である「物権」(その代表は所有権)を説明するためのもの。
  • 有体物を拡張解釈しても「排他的な支配可能性」という要件が必須。著作物など「無体物」は、「排他的な支配可能性」をもたないから「物」のではない。それらは「著作権法」「特許法」「種苗法」などで別個に規定するアプローチになっている。
  • 経済学で、市場の理論を構成するには、もうすこし要件を緩めて、他と区別できればよいとして「物」ではなく「モノ」を定義することにする。
  • 教科書の定義:「モノというのは,とりあえず「あれ」と か 「これ」とか,指し示し特定できる外的対象のことである。指し示す側は, 漠然と人間とよぶかわりに,意志と行為を重視して,主体とよぶことにする。モノは主体の関心の対象であり,主体はモノに取り囲まれている。 主体に対して,モノは客体をなすが,それは有体物に限られるわけでない。無体物であっても,どの主体の目からみても,明確な境界が存在し,その間に重複がなければ,モノといってよい。 土地のように連続した平面であっても,それが境界線で区切られれば,それぞれ独立したモノとして現れる。知識なども,主体によって発見され,未知から既知になった対象として,モノとして性格をもつ。逆に, まったく手つかずの外的自然は, ここでいうモノにはならない. モノが主体との関連で社会性をもつことは,このあと,市場の拡張性を理解するうえで 一つのポイントとなる。」
問題 2-106
「モノは何らかの機能をもつが、この機能は人によって異なって現われる。」 真か偽か、理由を述べよ。
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解答と解説 2-106

解答

  • 機能は、モノに属する性質、モノの「属性」property である。

解説

  • 機能は、だれにとっても、同じにはたらく客観的な性質であり、人によって機能したり、しなかったりするわけではない。
  • 同じボールペンなら、人によって線が描けたり描けなかったりすることはないはず。
  • ただし、うまく引けるか引けないかは、使う人間によって違ってくる。この違いをもたらす能力を、技能、熟練、スキルとよぶ。これは、講義の授業で労働を考えるときに扱う。

定義:使用価値

  • モノの属性は、人に対して一定の役立ちをもつ。
  • 定義:人に対する役立ちを、モノの有用性あるいは使用価値とよぶ。
  • 使用価値は、価値という言葉が入っているが、商品の「価値」ではない。「価値」とは別のものなので、使用価値という言葉は混乱のもと。ただし、伝統的に使用価値とよばれてきたので、この講義でもこの用語を維持する。使用価値ときいたら、モノの有用性のことだと思ってほしい。
  • 重要:モノの機能は、だれにとっても同じだが、使用価値は人によって異なる。
  • ボールーペンが必要な人もあれば、必要でない人もいる。
  • 使用価値はモノの属性ではなく、物と人の関係を示す性質。

定義:所有

  • モノに対して、それを自由に処分する権限を所有とよぶ。
  • 所有のあり方は、歴史的みると、いろいろあり、複雑。
  • ここでは、すべてのモノに関して、特定の個人や集団が、モノの処分権を一元的、排他的にもっている状態、すなわち「私的所有」が支配的な状態を想定する。

定義:商品

  • 定義:その所有者にとって使用価値がまったくないモノを商品とよぶ。
  • もちろん、商品の状態にあるモノは、持ち主にはまったく役に立たなくても、ほかのだれかには、たいへん役に立つ。
  • したがって、商品とは、その使用価値が完全に「他人のための使用価値」になったモノといってもよい。
問題 2-107
  • 「その所有者にとって使用価値がまったくないモノ」というが、どのようなモノでも、ある程度は役に立つ。
  • まったく役に立たないモノを所有しているというのは、あったとしてもレアなケースだ。
  • したがって、うえの商品の定義は不完全である。

この主張は妥当か否か。理由を述べよ。

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解答と解説 2-107

解答

  • 妥当ではない。
  • 商店の棚にならんでいるモノは、すべて完全に他人のための使用価値になりきっている。

解説

  • 要するに、レアなケースどころか、世の中、この定義どおりの商品で溢れている。
  • 店の棚にならんでいるモノは、売れなければ自分で使えばいい、などと考えられてはいない。
問題 2-108
  • さまざまなモノの有用性は、それぞれの人によってバラバラである。
  • ボールペンがとても必要だが、自分の菓子パンはもういらないという人もいれば、菓子パンは食べたいけれど、自分のボールペンは必要ないという人もいる。。
  • たくさんの種類のモノは、それぞれの持ち主ごとに、有用性の程度がまちまちになる。
  • したがって、人々は、相対的に不用なモノを、相対的に有用なモノと交換して、自分の満足度を高めようとするはずだ。
  • このような交換の場が市場である。

このような市場の捉え方は、妥当か否か。理由を述べよ。

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解答と解説 2-108

解答

  • 妥当ではない。
  • こうした「交換」を仮想することは可能だが、現実性はないから。

解説

  • このような有用性の程度の違いから、交換の場として市場を説明する経済理論もある。今日の主流派経済学のミクロ理論は --- もうすこし手の込んだ説明になっているが --- 基本的にはこのような財と財の交換の場のとして市場を捉える立場にたっている。
  • これに対して、マルクス経済学は、完全な商品を出発点に、貨幣による売買(交換ではない)がなされる場として、市場を捉える立場にたっている。
  • 要するに、財と財の「交換」とみるか、商品の「売買」とみるか、これが決定的な市場観の分かれ道となる。
  • もっと詳しい解答は、教科書の演習問題8をみてください。

Last-modified: 2023-04-27 (木) 18:03:46