訪問者:氏名不詳

✔ REC ON
✅ 接続チェック

問題 6-100

✔ 接続状態をおしえてください。

6-100 の回答を 
  +  
0/73 ...1点以上  0%

  分
 価値の表現 

概要

  • 商品価値の存在(「ある」)と表現=現象(「現れる」)が不可分であることを理解する。
  • 等価物という概念を理解する。
  • 等価物の連鎖を分析する。一般的等価物
  • 貨幣の定義を与える。商品貨幣

価値の表現

1mini
問題 6-1

朝起きたら美しい薔薇が咲いていた。

その美しさを表現するのに、あなたならどうしますか。

6-1 の回答を 
  +  
72/92 ...1点以上  78%

  分

解答と解説 6-1

解答

  • 絵に描く。
  • 曲や歌をつくる。
  • 一句俳句をよむ。
  • 写真に撮る。
  • .....

解説

  • 美しさという、つかみ所のない、モヤモヤしたものを、何か、別のものをつかって、かたちにするのが表現です。
  • 表現されるものXとは別に、表現するモノYが存在する必要があります。
  • 咲いている薔薇をきって、この薔薇の美しさはこれだ、といっても、それは表現にはなりません。
  • X is X. は表現にはなりません。表現は、X is Y. のかたちになります。
  • その意味で、写真は微妙ですね。でも、同じ薔薇の写真でも、百写百様(?)と考えれば...

After

  • 「表わす」ということは、どういうことか、ただちょっと考えてほしかっただけなのですが、採点はかなりむずかしかった。明らかに外れているもの(たとえば「美しさを貨幣で表現する。...」)以外は1点としました。点はあまり意味がありません。
  • 「写真」というのが多かったのですが、微妙、というのは X(被写体) is X'(写真) でX is Y になっていない面があるからです。
  • 「そっくり」だから、被写体の「美」が映しだされているか?
  • 芸術において、写実主義が見なおされてきたことはご存知でしょう。たとえばアイリスの美しさを表現するとこうなるわけです。
  • 「わー,きれい」っていってすぐ写真に撮って終わりにする人、それを人に見せて「ね、きれいでしょ」と同意を求める人、《表現》を素通りしている気がします。よく見て聞いて「感じる」ことが大事なハズです。自分の心にしっかりImpressすることで、はじめて Express もできるのです。
  • 「言葉にする」

  • 「言葉にする」という回答も多くありました。でも、一輪咲きティーカップだとか、花弁の色がどうだ、とか、.... 細大漏らさず観察し正確に記述しても、実物の科学的科学的な記述にはなっても「美しさ」の表現にはなりません。
  • 「比較する」というのは、表現の概念を考えるとき、むずかしい問題になります。...が、ここでは「比較は表現に必須の条件ではない」という立場で採点しました。
  • 比較と、別の何かに「たとえる」こと、比喩とは、また別です。例えば、薔薇の花の径の長さは「比較」できますが、比喩ではありません。比喩といっても幅がありそうですが、ともかく、長さの比較のよう場合とは明らかに違います。
  • 教科書の問題17の「比喩」は、表現の本質に結びついています。「君は薔薇(のよう)だ」という比喩における薔薇は、実物の特定の薔薇 the rose ではなく、薔薇なるもの a rose です。それは、実在の roses からあるタイプの美の象徴としてあらたにつくりだされた《構成体》です。比喩に使われるオブジェクトが構成体であるという点は、次の価値表現につながります。
4mini
問題 6-2

商品の価値も、直接知覚できない性質であり、かならず表現される。

ただ、商品の「価値」の表現は、「美しさ」や「よろこび」や「やる気」等々の表現とは決定的に違うところがある。

美しさの表現 P と商品価値の表現 Q では、どこが、どう違うのか。商品の価値の定義を思いだしてみよう。

6-2 の回答を 
  +  
44/78 ...1点以上  56%

  分

解答と解説 6-2

解答

  • 美しさの表現形式は多様だが、価値(=同等性)の表現形式はどれも同じになる。形式の統一。
  • 美しさの表現では、人それぞれで違いが重要だが、価値(=持ち主ではなく商品種の属性)の表現では、同種の商品の価値では、他の人と違わないことが重要。没個性的な表現。

解説

  • 「AはBに等しい」、「BはCに等しい」、「CはDに等しい」...では、「等しい」という表現様式はどれも同じになる。価値を絵にしたり、音楽にしたり、できるわけではない。
  • 混ぜたら区別のつかない同種の商品として、商品種 A, B, C... の間の、同等性が表現される。だれがもっていようと、見た目が変わらないAの価値は同一だ、という前提のもとで、他のB,C,...との等しさが表現されなくてはならない。
  • Aをもっている人は、同じくAをもっている人たちの表現をまねて表現する。つまり、商品の価値表現は「没個性的な表現」?
    ふつう、表現といえば、個性的な表現を思い浮かべるかもしれないが。
    同じ被写体の写真だって、撮る人の個性がでるから、「写真も芸術だ」ということになる。
    ところが、価値の場合は、だれがとっても同じになる、ことが求められる。
    なぜなら、価値は商品種の属性だから。
  • 没個性的な「表現」というのは、やはり、ヘンだと思う人は、「表現」のかわりに「現象」とよんでもよい。
    見えない「なにか」が、見える「すがた」で現われる、という意味で「現象」する、という言い方。
    主語は価値で、その「価値が現象する」。「人が価値を表現する」という人は、自分の個性を殺して、ひたすら種の属性である価値を表現するだけの影の存在(黒子)。
    「価値が表現される」と受動態で人間主体を消す文も同じ効果をもつ。

Afer

  • 「Pは人によって異なり、Qは誰が表現しても同じになる」「表現Pは主観的で表現Qは客観的である点」というように、ともかく、PとQの違いを対比してあるものには1点。その理由が正しく説明してあれば2点。さらに、それ以上に、Qが、表現様式の単一性による、といった追加的な説明があれば3点、のように採点。
  • Pに関して、「美しさ」は知覚できる、といった考えをもっている人がいるようだが、これは誤り。知覚というのは、視覚とか、聴覚とか、といった身体器官に由来する感覚によるもの。「美覚」などという感覚器官をもっている人はいないはず。
  • 「美しい」というのは、五感を通じて、心に impress されるもの。だれも「美しさ」そのものを、手に取ってみることはできない。それは、あくまで、express されることで、知覚できる世界に「現われる」わけです。ある「美しさ」X は、絵画でも,詩でも、もろもろの様式で Y のすがたに表現されるのです。
  • 価値も同様に、これが価値ですよ、と手に取ってみることができるかたちで存在するわけではありません。やはり、価値 X は独自の表現形態で Y というすがたで現われるわけですが、ただこの表現様式は、いろいろあるわけではなく、一様な表現方法がとられる点が違うのです。

価値の表現

  • 直接知覚できない価値の大きさは、知覚できるモノの量で「表現」される。
  • ある商品の価値の大きさXは、何かYに「等しい」というかたちで「表現」される。
  • あるいは、見えない価値の価値の大きさは、計量できるモノの量として「現象」する、という。

等価物をつくる(構成する)

  • 商品価値は,等価物 equivalent によって表現される。
  • 等価物事態は、表現される価値と等しいとされるモノである。
  • ただこのモノの量は、別の商品の価値の量と一意に対応しているように《構成》されている。
  • たとえば、金が等価物とされる場合、金のモノとしての量(重量)と金の価値とは重さが2倍になれば価値量も2倍になるというように。
  • 等価物の構成のしかたには、二つの方式がある。
▶等価物の2タイプ

種の表現

  • 注意!価値の表現の主語になるのは、商品《種》である。
  • 一個一個が、個体としての別の商品として扱われるのでも、同じ缶コーヒーでも、売り手ごとに別々の商品として、価値表現されるのでもない。
  • 価値は、あくまで種の属性だからである。
▶商品集合

価値表現の連鎖

問題 6-3

商品種Aが、Bから等価物を構成して価値表現をし、かつ、 商品種Bが、Cから等価物を構成して価値表現をするとき、 商品種Aは、Cから等価物を構成して価値表現をしている ということを認める。 $$A\sim B \land B\sim C \to A\sim C$$

さて、この条件があれば、 《すべての商品種が、任意の一商品種から等価物を構成して価値表現をしているとき、商品種の数が大きくなれば、「等価物の等価物は等価物である」という連鎖を通じて、すべての商品種に共通な等価物の母体となる単一の商品種Xにたどり着く》 と考えてよいだろうか。理由を述べよ。

6-3 の回答を 
  +  
35/75 ...1点以上  47%

  分

解答と解説 6-3

解答

  • 商品種の数が増えれば、連鎖が長くなり、一方で交わる機会が増え、共通のXにゆきつく可能性が高まるが、他方で、共通のXが複数、登場する可能性もたかまるから。

解説

  • この解答は,直感に訴えたもので、論理的推論によるものではありません。「.....と考えてよいだろうか」などと緩く尋ねたのはこのためです。
  • 第一次的な直観にすぎません。$A \sim B \sim C \cdots, A' \sim B' \sim C' \cdots$ のような関係が織りなす世界を、イメージして、何か、ありそうな状況をいろいろ想像してほしかったのです。
  • ありそうな状況については、この後、図解してみます。

After

  • 「共通な等価物の母体となる単一の商品種」の意味がとりにくかったようで、ここでつまずいた回答がいくつかありました。「母体」を取り除いて「共通な等価物となる単一の商品種」としたほうが答えやすかったでしょう。事実、取り除いて答えている人が多数派でした。図解で説明する「サイクル」のことを念頭において「母体」といったのですが、ここまで予想するのは確かにむずかしいと思います。
  • サイクル=母体を飛ばして、単一等価物として、単一になるかどうか、いずれかに決めて、理由を推測したものについて、1点。推測のしかたが適切であれば2点。また、単一になる面とならない面と両面に言及してあれば2点。さらに、その推測が充分であれば、3点というかたちで採点しました。ただしこの3点というのは、その理由が正しい、論証できている、という意味ではありません。
  • 短い時間で「論証」せよ、といっているのではありません。そうではなく、およそどんな関係の関係、ないしは状況が生じるか、予想してほしい、という問題です。予想はもちろん、expectation ではありません。4-color conjecture の conjecture のほうです。expectation と conjecture の違いは? こういうのは、chatGTPにでも尋ねてみてください。
▶図解
問題 6-4

「商品集合に関して、$$A\sim B \land B\sim C \to A\sim C$$ が成りたつとき、少なくとも一つのサイクルが存在する。」

真か偽か、理由を述べよ。

6-4 の回答を 
  +  
12/91 ...1点以上  13%

  分

解答と解説 6-4

解答

  • 商品集合のサイズをnとし、サイクルが一つも存在しないと仮定する。
  • 1,2,3...n-1 と連鎖をたどってゆくと、どれもサイクルをなすことはない。
  • 最後のnは,1,2,3...n-1, および自分以外の商品 n+1を指さなければならない。
  • これは、商品集合のサイズがnであることと矛盾する。
  • 故に少なくとも,一つサイクルが存在する。

After

  • 商品種がA,B,Cの三種類しかない、と思って回答した人がおおくいました。前問ですでに無数の商品種がある商品集合について予想をし、また図解では16種類の商品種を示したあとなので、$$A\sim B \land B\sim C \to A\sim C$$が、一般的な関係を示すものであり、要素が3つという意味ではないことは明らかだと思ったのですが....
  • 偽であるという答えは0点としました。その理由をよむと、それなりに考えられているな、と思うものもありましたが、採点の基準が定まらないので、一律0点としました。
  • 回答⑬「直線的な関係になり、サイクルにならないこともあるから。」というように考えた人、直線的な関係の末端がどうなるか、考えれば正解になります。
  • 「自分から矢印を出してはいるけれど誰からも指名されない哀れなものが存在するため、必ずしもループするとは限らない。」という回答がありました。前半は有効な着眼なのですが、ここから導かれるのは、どんな状況でしょうか。みなさん、考えてみてください。

一般的等価物

▶商品の個数とサイクルの個数
問題 6-5

等価物の連鎖を通じて、等価物となる商品種が単一になるためには、どのような追加条件が必要になるか。二つあげよ。

6-5 の回答を 
  +  
19/82 ...1点以上  23%

  分

解答と解説 6-5

解答

  1. 等価物サイクルを代表する商品種の決定
  2. 複数の等価物サイクル間の統合

解説

  • 等価物サイクルというのは、$A \sim B \sim C \cdots \sim A$ となる関係です。

  • 追加条件により、他のすべての商品が,単一の商品種から共通の等価物を形成するようになったとき、この等価物を一般的等価物とよびます。
▶図解

問題 6-101

ここまでの範囲でわからないことがあれば質問してください。

「...ということですが、その理由がわかりません。」というような質問でOKです。

できれば「...ということですが、私は...ではないかと思います。」あたりまで突っ込んでください。

6-101 の回答を 
  +  

  分

まとめ

ここまでの確認

  • 「他人のための使用価値」をもつものという商品の定義から、商品は価値をもつということが導かれる。
  • 価値を「もつ」(有する)ことを、価値が「ある」(在る)ともいう。
  • 価値はその商品が属する商品種の属性である。(同種商品は同じ価値をもつ)。
  • 価値の存在は価値の表現と同値である。(表現されない価値があると考えてはならない。)
  • すべての商品種の価値はつねに必ず表現されている。
  • 価値の大きさは、他の商品種から等価物を構成することで、等価物の量で表現される。

今回の講義では

  • 各商品がそれぞれ別の商品から等価物をつくり、価値表現をおこなうと...
  • 等価物の等価物の等価物... という連鎖が生じる。
  • この連鎖のなかには、$A \to B \to \cdots \to A$ という自分に戻ってくるサイクルが生じる。
  • サイクルのなかでは、$A\sim X \Longrightarrow X \sim A$ という関係が成りたつ。
  • サイクルのどれかの商品に間接的につながっている商品は、サイクルの商品を直接に指せば、すべての他の商品を等価物においたのと同じことになる。
  • 複数のサイクルが一つのサイクルに統合されたとき、共通の単一の等価物が生まれる。
  • これが一般的等価物

次回の講義では

  • 一般的等価物にさらに持続性をもたせたものが、貨幣=商品貨幣
  • 商品貨幣は、すべての商品がもつ「他のすべての商品と等しい」という価値を表現することができる。

Last-modified: 2023-07-05 (水) 17:44:07