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問題 8-100 まだ出題されていません。
物品貨幣
概要
- 物品貨幣の代表をなす金属貨幣,金貨幣について学ぶ。
二つの実装方式
▶等価物による価値表現
▼等価物による価値表現
- 等価物は、商品の物量と価値量とを結びつけることで、新たに《構成》されたもの。
- 結合のさせ方には二通りある。
- ①単一の商品で、その価値とその物量を結合させる直接型
- ②ある量の商品を受けとる権利を使って、価値と物量を結合させる間接型
- 金貨幣の基礎は①の直接型の結合である。
- 現在の日本銀行券の基礎は、②の間接型の結合である。
- 商品貨幣は、物品貨幣型と信用貨幣型のいずれかのかたちで実現される。
- 商品貨幣は商品の定義が内包する要請に応えるもの。その実現方式①と②は、両立しない。
物品貨幣とは
- 物品貨幣:特定の商品種のモノを等価物とする貨幣。
- 価値表現に必要な、任意可分性、耐久性などの、物理的・化学的特性が等価物となるモノには求められる。貴金属が貨幣となる傾向。西ヨーロッパでは、金
銀、とくに金になる傾向。これには、イギリスの金本位制の影響が強い。銀を貨幣とする貨幣制度が駆逐される歴史
金属貨幣のための追加条件
- 金属貨幣を実装 implement するためには、価値表現という内在的な力に、次のような外的要因が加わる必要があった。
- 本位貨幣=「正貨」specie 規定:価格単位の制定(特殊な度量衡法である貨幣法による「円」の定義)
- 自由鋳造制:本位貨幣の実体化:金貨を
「鋳造」する鋳造は「貨幣」をつくることではない。素材の品位を鑑定・保証するにすぎない。「鋳造」しても金量が増大することはない。そのすがたが変わるだけこと。造幣局
Mint の設立。
- 法貨規定:
「強制通用力」「強制通用力」を「無理矢理に買うことができる力」などと誤解してはならない。あくまでも、自由な価格で売買契約を結んだ後に必要となる支払手段として、強制力をもつ(裁判で支払を主張できる貨幣=法貨。100万円の郵便切手をもっていっても支払を拒否されることはあるが、100万円の日本銀行券をもってゆけば、相手は拒絶できないということ。を与えること。貨幣単位で表示された負債に対する最終決済力をもつ貨幣を制定すること。
歴史と制度
問題 8-1
今日の500円硬貨は、金属貨幣であるが、商品貨幣ではない。
真か偽か、理由を述べよ。
8-1 の回答を +
0/85 ...1点以上 0%
解答と解説 8-1解答
- 偽
- 素材が金属であるという意味で金属貨幣であるが、素材としての金属が有する価値と、500円という額面の間の対応はないから、商品貨幣ではない。
解説
- 商品貨幣であるためには、刻印を取り除いた(融解した)金属の物量と、その額面が、貨幣量の単位として定義される必要がある。
- たとえば、金1オンス=3ポンド17シリング10.5ペンスとか、金1オンス=35ドルとか、金0.75グラム=1円とか、金属の重量で貨幣量の単位を規定するのが、講義の金本位制。
- 実際にこの重量を含む金貨を鋳造すること、金属を持ちこめばタダでその金貨と交換してくれる(鋳造してくれる)サービスを政府がおこなうこと、これが狭い意味での金本位制。
- 現在はこのような金貨は存在しない。
- それ以外の金属貨幣、コインは記念メダルのようなもので、価値と額面との間のリンクは存在しない。今日の日本のコインは、少額の清算に使われるトークンに過ぎない。
問題 8-2
「金貨 コインを鋳造できるのは国家だけである。したがって、国家はコインを鋳造することで、貨幣の量を自由に増やすことができる。」
真か偽か,理由を述べよ。
8-2 の回答を +
0/77 ...1点以上 0%
解答と解説 8-2解答
- 偽
- 金貨をつくるのには、金属としての金が必要。鋳造はただその金属の量と純度を保証する刻印をうっているにすぎない。だから、材料となる金属の量がふえないかぎり、コインの量をふやすことはできない。