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問題 10-100

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 価値尺度 

概要

  • 商品貨幣が果たす三つの機能のうち、価値尺度の機能について学ぶ。
  • 価値の表現に対して、価値の大きさを「はかる」ための追加条件を理解すること。

貨幣(商品貨幣)と商品が実在する市場

売るということ

問題 10-1

100円硬貨があれば、100円という価格がつけられた商品は何でも、すぐに買える。

しかし、100円で買った商品を100円で売ろうとしても、すぐには売れない。

すぐに売ろうと思えば、90円とか、80円とか、価格を下げなければならない。

ということは、商品の100円は、貨幣の100円より価値が小さいのだ。


さて、以上の推論は妥当か。理由を述べよ。

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解答と解説 10-1

解答

  • 妥当ではない。
  • 「すぐに」売れる価格が、商品の価値を表している、という想定が誤った推論を生んでいる。
  • 価値は商品種の属性であり、同種商品のなかで、価値を表す価格で売るには、確率的な変動を伴うある期間を要する。他の同種商品を押しのけて「すぐに」売れる価格が、商品価値を表していると考えている点で、この推論は妥当ではない。

解説

    「すぐに」売れる価格が、商品の価値を表している、と考えてしまうのは、この講義で明らかにしてきた「商品と貨幣が実在する市場」の意味がまだよく理解できていないからです。

    「商品と貨幣が実在する市場」では、同種商品が大量に存在するなかで、その価値を表現する貨幣が持続的に存在するのです。

    同種大量の個々の商品は、どれかはきまっていませんが、100円で次々に売られてゆくわけで、たしかに種としては100円の価値があるのです。

    すぐには売れないけれども、100円の価格をつけて、売れるのを待っている商品を、ここでは在庫用語上の注意!「在庫」という用語は売るつもりがないストックという意味で、商品と区別して使われることがあります。しかし、この講義の商品の定義にしたがえば、このような区別は無意味です。ここでは、商品はあまねく在庫である,という意味で、商品として存在する対象すべてを「在庫」とよびます。とよびます。

    こうした在庫が存在するから、表示された価格でなら、貨幣は何でもすぐに買えるのです。だから、逆に、すぐに必要がないかぎり、貨幣の状態で持ち続けられるので、市場には、一定量の貨幣が実在するのです。


    需要と供給が一致するように価格がきまるという「均衡」という考え方は、このような「商品と貨幣が実在する市場」のすがたをみえなくさせます。ある価格ですべての商品の需要と供給が一致している、とすれば、すべての商品が、その価格で、すぐに全部売れるはず。だから、市場には、ここで定義した「在庫」など存在しない。したがって、貨幣も価格をつけるに使われたかもしれないが、取引がおこなわれたあとには存在しない。つまり、市場は均衡価格でカラっぽになる、というのが、均衡論的な市場の捉え方です。

    この講義で明らかにしてきた「商品と貨幣が実在する市場」像は、需給均衡論による市場像と正反対のものです。二つをごた混ぜにしてはいけません。

価値を「はかる」と言うこと

▶価値尺度の定義
問題 10-2

売買とは商品と貨幣の交換だ。

この言説で見失われる、売買の特徴を一つ語句で示し、その含意を説明せよ。

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解答と解説 10-2

解答

  • 不可逆性
  • 交換はその語義からして可逆であるが、売買では、買った価格で必ず売れるとはかぎならい。

解説

  • <売りと買いの「分離」>とか<表現と実現の「分離」>という解答もあるかもしれない。しかし、分離された二項の関係を明確にしている点で、不可逆性のほうが踏むこんでいる。
  • 時間の流れのなかで、個々の商品はバラバラに売られてゆく。この時間に沿って、価格表現は変化するが、実現れた価格は、時間軸にそってならぶ。一度実現された価格をもとに戻すことはできない。

Last-modified: 2023-07-12 (水) 19:43:02