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問題 11-100 未公開
流通手段
概要
- 貨幣を媒介とした商品売買の連鎖の構造について学ぶ。
- 商品の流通と貨幣の動きの違いを理解する。
- フローとストックの基本的な関係について考える。
交換手段
▶需給一致の世界
問題 11-1
欲望の不一致が存在する上記のケースでは、三つの商品とは別に、だれもが受けとる交換手段としての貨幣が必要である。
この主張は正しいか、理由を述べよ。
11-1 の回答を +
4/79 ...1点以上 5%
解答と解説 11-1解答
- 正しくない。
- 一定の交換比率で需要と供給がすべて一定しているのだから、たとえば、Aが、缶コーヒー2本→牛乳1パック:牛乳1パック→サンドイッチ1パックというように、間接交換をすれば、各自が望んでいたものを手に入れることができる。
解説
- 貨幣をこのように売買を通じて元の持ち主に戻ってくる、交換の媒体、交換手段と考えてはならない理由を、これまで延々とかたってきたのです。どうか、間違える人がいないように....
- さらに、もうひとつ、とても大事な注意があります。
- この解答のように「もしすべての財について需要と供給がそれぞれ一致しているなら」貨幣なしで、つまり、間接的な物々交換で、必要な取引は可能になります。
- しかし、市場はこのような一般均衡が成立し、均衡価格で一斉に交換がなされる場ではない理由も、これまで延々と説明してきました。
- この問題では、二重の誤り(貨幣=交換手段説、市場=一般均衡=間接的物々交換説)を見抜いてもらう必要があります。
- この講義では「交換手段」という用語は用いない!
- 問題11-1は、その理由を説明するものです。
- さらに、これまでの講義の推論で明らかにしてきた「ない」があります。
- 商品に価値がある世界は、需要と供給が一致する世界では「ない」。
- 需要と供給の均衡で価格がきまるのでは「ない」。
商品の流通と貨幣の動き
問題 11-2
貨幣による価値表現について解説した図で、16コの円がそれぞれ100円の商品を表しているとする。
16コの商品がすべて売れるには1600円分の貨幣が実在しなくてはならない。
正しいか否か、理由を述べよ。
11-2 の回答を +
25/85 ...1点以上 29%
解答と解説 11-2解説
- 誤り
- 100円の貨幣でも16回購買に出動すれば1600円分の売買額を実現できる。
- 同じ貨幣が買い手から売り手に次々に渡されることで、貨幣額の何倍もの商品が販売されるから。
▶流通手段
▼流通手段
- 貨幣は「交換手段」ではなく「流通手段」である。
- 貨幣を商品に重ねて、実際に次々に購買がなされるときの様子をたしかめてみよう。
まとめ
▶用語は厳密に使おう
▼用語は厳密に使おう
- 商品は一度限り流通 circulate する。
- 貨幣は何度も通流 current する。
- 貨幣は商品が流通するための手段として機能する。これが貨幣が「流通手段」であるという意味。ぜったいに、これを「交換手段」などとよばないでください。